なぜ健康には「運動」が必要か―筋肉は大事な熱源です!

では、前回(なぜ健康には「運動」が必要か―運動は骨も鍛えます!)の続きです。
解剖学で最初に習う基礎の基礎。筋肉の生理的作用は以下の三つ。

●運動
●熱の発生
●筋ポンプ作用

今日は2番目の「熱の発生」についてです。

人間は恒温動物です。
恒温動物というのは、ある一定の体温を保っている動物を指します。

外気温が何度であろうと、だいたい36℃くらいの体温を保つようになってます。
深部体温は37℃くらいらしい。
日本の場合は、36℃よりも気温が上昇するのは稀ですね。
たいていの場合は、それよりも低いです。

そうすると、体内で熱を作り出さなければ、一定の体温を保つことはできませんね。
そのためには熱を作り出す器官がなければいけません。

そこで、重要な働きをするのが筋肉というわけです。
筋肉は全体の熱量の約6割を産生するとのことで、重要な熱源なんです。

運動をすると筋肉が熱を持ちます。その熱で血液が暖められて、体の隅々まで熱を運ぶわけです。
こうやって体を温めているんですね。

寒いと体に力が入りますよね、グーッと力が入って、ぶるぶるっと震えたりします。
あれは筋肉を収縮させることによって熱を発生させ、身体を温めようとする反応なのです。

運動不足になると、熱の発生量が少なくなって体温が上げられなくなります。
近年、平熱が低い、低体温の人が増えているそうですが、世の中が便利になって、肉体労働が減ったのが原因と考えられます。

低体温になると、免疫力が低下することがわかっています。
風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
花粉症などのアレルギーや、さらにガンにもかかりやすくなるといわれています。
その他、肩こり、腰痛、頭痛、更年期障害、肌のくすみ、自律神経の失調、生理不順、不眠症などのリスクが高まります。

産生できる熱量が少ないので、あまり熱を奪われたくないわけですね。
手や足なのどの細い所は熱を奪われやすいので、そういうところには血液を回さないようにして、熱を奪われないように防御します。
手や足先が冷えるのはそのためです。

まさに、「冷えは万病のもと」ですね。

もちろん冷え性の原因は運動不足だけとは限りませんが、運動不足は冷えの大きな原因になります。

太っている人はいつも汗だくで暑そうにしているイメージがあります。
確かに、皮下脂肪は保温効果に優れていて、熱を奪われるのを防いでくれていますが、熱源にはなりません。

太っている人は、重い体を支えるために筋肉が発達しています。
さらに、重い体を動かすために、その発達した筋肉を酷使していますので、熱の発生量も多いのです。

体重60㎏の人と、100㎏の人、その差は40㎏。
体重60㎏の人が、40㎏のおもりを背負って活動していると想像してみてください。
汗だくになってしまうのも無理もないと思いますよね。

えっと、話が逸れましたが(汗
運動によって筋肉を健やかに保ち熱を発生させることが、健康には大切なことだとお分かりいただけたかと思います。

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